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今という時代

ちょっと前のWSJの記事ですが、今を的確に表現してます。

ニクソンショックから40年 ― 金の呪縛を振り払った裸の王様・ドル


ウォ-ルストリ-トジャ-ナル記事


第二次大戦後の新たな貨幣制度の下、ドルは世界の準備通貨となり、世界の中央銀行はドル準備を固定レートで金と交換する保証を米国から得ていた。しかし、1971年のその日、米国はこの約束を破棄、金との交換を保証しない「法定不換紙幣」の自由な発行に向けた最後の障害を取り除いた。「ニクソンショック」の後、あらゆるマネーは純粋なペーパーマネー、あるいは急速な普及をみせる電子マネーとなった。それは、貨幣鋳造の権限を持つ銀行や中央銀行が、事実上上限なしに創出できるマネーだ。
世界の紙幣本位制は40年続いているが、制度の終幕接近は日を追うごとに確実性を増している。世界経済は、深刻化する金融危機でこう着状態にある。金融危機は、過剰債務と激しい資産バブル、肥大化した銀行が原因だが、こうした不均衡はすべて、前例のない40年間の法定不換紙幣の創造と不自然な低金利、「最後の貸し手」である中銀によってもたらされたものだ。今日の金融政策――米連邦準備理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、日本銀行も然り――は、痛みを伴うが決して避けることのできないこうした不均衡の清算を超低金利と断続的な政府債務のマネタイゼーションによって先送りしようとする必死の抵抗に過ぎない。これは、最終的には無駄な努力だったと判明するだけでなく、政策が続けられた場合は完全な通貨の破滅的状況を招くだろう。
40年間の根強い貨幣介入主義の結果、経済は安い信用と継続的な資産インフレに慣らされてしまった。40年間の貨幣の拡張主義により、価格は歪められ、経済活動は損なわれ、債務は持続不可能な水準にある。不均衡の累積があまりにも深刻で、市場主導の不均衡解消が政治的に受け入れ不可能だとみられていることを、リーマン・ショック以降、我々は知った。信用の調整、債務のデフレ、清算は、市場がどんなに望んでも許される状況ではないだろう。
歴史的にみると、すべての紙幣制度は完全な失敗で終わるか、商品を裏付けとするマネーにタイミングよく戻るか、どちらかである。現行の紙幣制度の開始から40年が過ぎた今、我々はまた同じ岐路に直面している。
by khs5105 | 2011-10-31 09:23 | 恐慌 | Comments(0)

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